日本医科大学付属病院 不育症検査 体験談

2019年5月16日

不育症

私は、化学流産と8週目の稽留流産を経験しました。
どちらも加藤レディースクリニック(KLC)で体外受精を受け、やっと授かった命でした。
不育症は、一般的に3回流産や死産を経験したら疑われます。
私の場合、2回のうち1回は化学流産(医学的には流産とみなさないとの見解があります)ですし、少し早いかとも思いましたが、もう同じことを繰り返したくない思いで、加藤レディースクリニック(KLC)から紹介を受けた日本医科大学付属病院で不育症検査を受けることにしました。

★加藤レディースクリニック(KLC)での体外受精の体験談はこちら。 

流産までの経緯

化学流産した時の経緯

加藤レディースクリニック(KLC)で顕微授精による4分割の新鮮胚移植を行いました。
妊娠判定日に陽性反応はあったものの、HCG値が低く、妊娠にまで至るのは厳しいだろうと診断されました。詳細を以下に記載します。

・移植12日後(判定日):β-hcg値「8.0」
 陽性ではあるものの、値が低すぎるため、おそらく化学流産となると言われました。
・移植21日後:β-hcg値「40.1」
 移植16日後から出血したにも関わらず、β-hcgが出ており子宮外妊娠の可能性があると言われました。
 この時点では断定できないので、しばらく経過観察することに。
・移植24日後:β-hcg値「24.5」
 以前よりも値が下がっていることから、良い方向にいっているのではないかとのこと。
・移植29日後:β-hcg値「7.8」
 一桁になったので、チェックのための通院は終了しました。
 万一の子宮外妊娠に備え、基礎体温をつけて体温が上がるようであれば連絡するよう注意を受けます。
 その後、体温が上がることはなく、次の生理を迎え、子宮外妊娠は免れました。

★この時の体外受精の治療内容詳細はこちら

妊娠8週目で稽留流産した時の経緯

加藤レディースクリニック(KLC)で顕微授精(レスキュー処置有)による凍結胚盤胞移植を行いました。
妊娠判定日に計測したHCG値が非常に良く、年齢も考慮すると「出産に至る確率は94%以上と診断されました。その後の胎嚢確認も順調でしたが、心拍確認が出来ず、稽留流産となりました。
詳細を記載致します。

・移日7日後(判定日):β-hcg値「132.1」
 加藤レディースクリニック(KLC)の過去のデータと照らし合わせ、年齢と値から出産に至る確率は
 94%以上とお墨付きを頂きました。
・移植18日後:胎嚢確認
 15.59㎜で胎嚢が確認できました。
 通常この時期であれば、5~10㎜あればよいので大きさ的にかなり順調だと言われました。
・移植31日後:心拍確認
 本来なら心拍が確認できる時期なのに、心拍が確認できないとのこと。
 胎嚢の大きさも小さく、今後の成長はかなり厳しいと言われる。
・移植39日後:心拍確認(2度目)
 やはり心拍が確認できず、新宿レディースクリニックを紹介してもらい、流産手術を受けることに。
 胎嚢だけが成長し続け、5㎝まで大きくなっていたそうです。
・移植42日後:流産手術
 新宿レディースクリニックにて、流産手術を行いました。

★この時の体外受精の治療内容詳細はこちら

流産手術について

稽留流産となった時は、心拍確認ができなかったにも関わらず、胎嚢だけは成長を続け、自然流産は見込めなかったため、手動真空吸引法による流産手術を受けることとなりました。
流産手術の詳細についてはこちらにまとめています。

不育症検査を受けるタイミングについて

日本医科大学付属病院のHPでは、不育症について以下のように記載されています。

不育症の定義からすると、流産回数の定義はありません。一般的に流産を3回以上繰り返す場合を習慣流産といい、これが不育症とほぼ同義語として使われています。したがって、流産を3回繰り返したら不育症の検査をすることをお勧めします。しかし、当科の調査によると2回だけの流産歴でも系統的検査を行うと60%以上の人に何らかの異常が見つかります。したがって、われわれは2回流産を繰り返した時点でも、場合によっては検査を始めることを勧めています。また、原因不明の死産(胎内死亡)を起こした場合も、抗リン脂質抗体症候群などが原因であることもあり、検査が必要です。

日本医科大学付属病院HP(https://www.nms.ac.jp/hosp/section/female.html)

実際に私が受診した時に先生からは、化学流産は流産にみなさないという見解が一般的ですが、きちんと不妊治療の病院で検査や経過観察を経た上で流産となっているので、1回の化学流産と1回の稽留流産でも不育症の疑いありということで検査してみましょうと言われました。

不育症検査の種類

私は以下の検査を受けました。
希望も聞いて頂けるようなので、例えば染色体異常検査はしたくないなどの意見を伝えることも可能です。

血液検査

  • 一般検査(血算、血液像、生化学)
  • 内分泌代謝異常 (甲状腺機能検査など) 
  • 血液凝固異常
  • 血小板凝集能
  • 感染症(抗クラミジア抗体など)
  • 抗リン脂質抗体症候群(抗PE抗体など)
  • 補体(CH50、C3、C4)
  • 同種免疫異常
  • 染色体異常検査(夫、妻)

内診検査

子宮形態異常

受診当日の流れ

検査は保険の関係で2日間に分けて行われます。
1日目は保険適用の項目を、2日目は保険適用外の項目を検査します。2日目は妻のみの検査となります。
結果は約20日後くらいで聞きに行くことができます。

1日目:保険適用項目の検査 当日の流れ

総合受付での初診受付

まずは1Fの総合受付で初診受付を行います。
正面玄関が2Fにありますので、エスカレーターで1階降りることになります。
夫婦で受診する場合も、まずは妻のみ診察券を作ります。(女性診療科で指示があれば、その時に夫の診察券を作って下さいとのこと。)

女性診療科での受付

診察券が出来ると、同じフロアにある女性診療科へ移動します。
そこで問診票の記載をし、体重と血圧を計測して受付に提出します。
待合室で呼び出しがあるまで待ちます。
呼び出しは、受付を行った際に割り振られる番号で行われます。
自分の番号がモニターに表示されたら、問診室へ入ります。

問診

まず、先生から不育症の検査についてのご説明があり、どの検査を受けるのかを決めていきます。
こちらからは、これまでの妊娠および流産の経緯などをお話しします。
この時、これまでに行った血液検査の結果などを渡すと不要な検査は省いてくれます。
私は流産の回数から考えると少し受診が早かった(化学流産1回、稽留流産1回)ので、まだ受診は必要ないと断られたらどうしようと心配していたのですが、問題なく受け入れて頂くことができました。
化学流産は流産にみなさないという見解が一般的ですが、きちんと不妊治療の病院で検査や経過観察を経た上で流産となっているので、1回の化学流産と1回の稽留流産でも不育症の疑いありということで検査してみましょうと言われました。

内診

ここで一旦、夫は退室します。
問診室の隣にある内診室へ移動し、子宮形態異常の検査を行います。
私は以前、別の病院で卵管造影検査を行った経験があったので、この検査は省かれました。
その後、夫と一緒に内診の結果を聞いて退室します。
私の場合、特に異常は見つかりませんでした。

★別の病院で行った卵管造影検査の体験談はこちら。 

主人の診察券を作成に総合受付の初診受付へ

先生と話した結果、染色体検査を夫も受けることにしたので、もう一度総合受付に戻り、主人の診察券を作ります。
最初から夫婦どちらも染色体検査を受けることを決めている人は、最初の受付で一緒に作ってくれたら良いのにと思いましたが…🙄💧
診察券を受け取ったら、もう一度女性診療科の受付へ行き、診察券と染色体検査の同意書を提出します。

採血検査

そこからまた暫く待って、やっと採血検査へ。
採血は2Fの中央採血室で行います。
到着するとすぐにモニターに番号が表示され、採血が始まりました。
採血の本数は夫は1本、私は7本…😭
これまで体験した中で最も多い本数です。笑

会計

1F総合受付の会計窓口に番号の書かれたファイルを提出すると、同じフロアにある自動会計機を案内されました。診察券をかざすと機械で会計ができる仕組みです。
支払いはクレジットも利用可能でした。デビットカードも対応しているようです。

診療にかかった時間

この日は、11:00に事前予約をしており、時間通りに初診受付を行いました。
お会計が終わったのが14:30過ぎ頃でした。

2日目:保険適用項目の検査当日の流れ

再診受付機で受付

再診の場合、カウンターに行って並ぶ必要はなく、再診受付機に診察券を入れて受付が完了します。
受付機から印刷される紙に中央採血室へ行くよう書かれていました。

採血検査

採血中央室ではそれほど待つこともなく、すぐに採血が始まりました。
この日は2本採血をしました。

会計

初診の時と同じく、1F総合受付の会計窓口で支払いをしてこの日は終了です。

診察にかかった時間

この日は採血だけなので、予約はせず好きな時間に病院にいくことができました。
私は14:00頃到着し、14:30頃には会計まで終わりました。

3日目:検査結果確認 当日の流れ

再診受付機で受付

再診受付機から発行される紙に、今回は直接婦人診療科の受付に進むよう書かれていました。

問診

今回はそれほど待たず、30~40分程度で呼び出されました。
検査の結果を丁寧に説明していただき、紹介状を書いてもらった病院への返信書類を頂きました。

会計

書類を頂いていたので、今回は受付での会計となりました。

費用

それぞれの日にかかった費用を掲載します。

1日目:保険適用項目の検査 費用

妻の費用

総額:16,930円

診療明細項目:写真をご覧下さい。    

夫の費用

総額:10,520円

診療明細項目:写真をご覧ください。

2日目:保険適用外項目の検査 費用

妻の費用(この日、夫は受診なし)

総額:31,552円

診療明細項目:写真をご覧ください。

3日目:検査結果確認 費用

総額:220円
夫婦で結果を聞いた場合、2人分の費用をとられます。


検査結果

1回目の検査から約1か月後、結果を聞いてきました。
検査した項目とその結果は次のとおりです。

血液検査

  • 一般検査(血算、血液像、生化学)→異常なし
  • 内分泌代謝異常 (甲状腺機能検査など)→異常なし ※甲状腺機能低下症の為、チラーヂン服用状態での結果 
  • 血液凝固異常→異常なし
  • 血小板凝集能→★若干の異常あり
  • 感染症(抗クラミジア抗体など)→異常なし
  • 抗リン脂質抗体症候群(抗PE抗体など)→異常なし
  • 補体(CH50、C3、C4)→異常なし
  • 同種免疫異常→異常なし
  • 染色体異常検査(夫、妻)→異常なし

内診検査

子宮形態異常→異常なし

血小板凝集能とは

ということで、今回異常が見られたのは、血小板凝集能のみでした。
血小板凝集能が高まると、血液の粘度が高まり、血栓ができやすくなるそうです。
妊娠時に血栓ができると子宮から赤ちゃんへの栄養が届かず、不育の原因となりうるそうです。
対策としては、EPAという魚の油から摂取できる成分を補い、血液をさらさらな状態にすることが有効なようです。
EPAはマグロやさば、さんまなどの脂がのった魚に多く含まれるので、そういった食事を心がけることと、サプリメントを活用することを勧められました。
私の場合、少し異常がみられる程度だったのでこういった対策で十分ですが、もう少し深刻な場合は薬での治療を行うそうです。

まとめ

まだ少し時期尚早かと悩みながらも不育症の検査を受けてみました。
結果としては、血小板凝集能に若干の異常のみで特に治療は必要なしという結果でした。
検査を受ける前は、何か異常が見つかって、治療をすれば不育症の根本的な改善ができる、そういった結果を望んでいたような気がしますが、検査が終わり、これといった大きな異常がないとわかった今、それでもやっぱり検査を受けてみてよかったと思っています。
検査を受けなければ、もしかしたら自分たちに今できることがあるかもしれないのに出来ていないのではという可能性をもやもやと抱え続けることになりますが、今は自分たちに出来ることは全て出来ているんだという前向きな気持ちを持てるようになりました。
検査を受けるか迷っている方、結果的に異常が見つかるか見つからないかはわかりませんが、自分たちの現状を知るのに悪いことはないと思います。
私は思い切って検査を受けてみることをお勧めします。